箱の日記
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2004年08月12日(木) 盆休み

 すこし無理矢理に休みとした。やっとこの頃、真夜中に蝉が鳴かなくなったようだ。
いちばん短い八月はここに。 秋の夜長もすぐそこだから。






庭へ出ると
案外暗いことに気づいた
カーテンが分厚いのか、照明が弱いのか、
雲がはねかえす街のかがやきもなく、
月がどこにあるのか、わからなかった
草むらの中から、虫の声がいくつも発信される
りんりん、るるる、らんらん
わたしと話したがっているのではないよ
やりたがっているんだ
竹刀を握って、わたしは素振りをはじめた
こんな真夜中に、びゅう、びゅう、と
立ち止まった空気を切り裂く音が、虫たちの鳴き声に混ざる
まったく、どうかしているってもんだ

果たして、足の火照りはどこかへいってしまったようだが
背筋をなにものかがとらえて離さなかった
わたしは
くるな、くるなと
汗ばんだ掌で握った竹刀を振りおろしていた




 


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