ぱらやんの撃痛リーマン日記...ぱらやん

 

 

【迷】 - 2007年08月28日(火)

これ以上の重荷は無い。






会社に「体調不良で休みます」と伝え、朝一で深谷の動物病院へ。

朝の段階で緊急連絡は来なかったので、最悪のケースは免れたかも。

やきもきしながら病院への道を急ぐ。






甲斐姫はまだ生きていた。






本当に、こんな表現しかできない。

朝に行った血液検査ではまた症状が悪化していた。

点滴を打ち、酸素を鼻からチューブで送り込む。相変わらず荒い呼吸。

やれることは昨日と同じ、声をかけ続け、撫でてさすっての繰り返し。

実際、ここに来ても対症療法しか取れていない。

でもまだ甲斐姫の表情は明るい。ホントにもうギリギリの状態なのか?

そんな思いでいると、院長先生を紹介された。

院長先生は「ご家族の方が見えると、本当に表情が明るくなる。目に輝きが

出て段違いになる」と開口一番に言ってくれた。



もう涙が止まらない。

こんな状態になっても、自分のために表情を作ってくれるなんて。

なんでこんないい子がこんな目に遭わなくちゃならないのか。



院長先生は続けて現状を説明する。

昨日採取した中に病片を発見することは出来なかった。

もしかしたら、昨日の影は腫瘍ではないのかも知れない。しかし現状は

出血が止まらず、貧血は悪化の一途をたどっている。

この状態で手探りで腫瘍を見つけて病片を採ったとしても、検査機関に

送って返事を待つだけで最低1〜2週間はかかる。とてもじゃないが今の

甲斐姫に耐えられる期間ではない。仮に耐えられたとして、その先に

待っているのは「抗ガン剤治療」である。余りに大きく高い壁だ。

ならば思い切ってCTスキャンを撮ってみるのも一つの手だと言う。



人間ならば「ジッとしていて下さい」で済むのだが犬の場合は麻酔をかけて

行う必要がある。今の甲斐姫に麻酔をかけるとそれだけで「安楽死」になる

可能性も高い。だがこれにより身体の状態を3次元で把握する事が可能になり

場合によっては短時間で治療の方向性が探れるかも知れないと。

更に麻酔をかけた状態をキープして、状況如何では手術に移行することも

検討できると。



しかし、これらは甲斐姫の体力次第。



先ほども言ったように今の甲斐姫にとって麻酔はそれだけで「安楽死」に

なりかねない。ギリギリの量を見極め、且つそれをCT・手術とキープ

し続ける必要がある。甲斐姫の体力がどれだけ保つか、確証は無い。

貧血も大きなネックになる。血圧の急速な低下を招きかねない。

マイナス要素しか見当たらない。何を信じてすがればいいのか。






しかし、今の自分らに残された手段はそれしかない。

準備等を考慮して、明日の午前中にCTスキャンと可能であれば手術を

執り行うと言うことで決まった。






そして、明日のCTに備えて、胸に溜まった血を抜くことを決めた。

ショック症状や不確定要素もあるが、まず肺の圧迫を和らげ、呼吸を楽に

させて少しでも体力の低下を防ぎたいという意向からだ。



胸にチューブ付きの針を刺し、バルブ付きの注射器で吸い出しては横から

排出する、を延々と繰り返す。吸い出しても吸い出しても、注射器に血が

注ぎ込まれる。あっという間に1リットル以上の血が吸い出された。

身体への影響を考慮して今日はここで止めたが、推定される量の半分にも

満たないという。あんな細い身体の隙間にこれだけの出血が溜まっていた。

何で気付かなかったのか、自分に対しての怒りと、甲斐姫に対する申し訳

無い気持ちで涙が止まらない。いくら泣いたか分からない。



それでも、胸の圧迫が収まって少しは楽になったのか、今までにない

穏やかな寝顔を見せて、甲斐姫が眠っている。

こんな些細な出来事でも、今の自分にはそれしかすがるモノがない。






少しでも甲斐姫を楽にさせてあげたい。何が出来るかサッパリ分からない。

でもこれだけは忘れない。


...




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