『偏愛的猫生活』☆muux

◇登場人(猫)物◇=01年6月頃生の純日本猫♀、竹藪に捨てられていた。
ザジ=02年11月頃生 03年1月21日から同居。Mixアヘ〜猫♂9.2kg
ATU/ダンナ=絵描きになりたかった地質調査技師。ウドンは柔らか目。四国・松山出身
わたし=実は雑踏が大好き。道玄坂の奥がふる里 →<about me>

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忙中閑? 2002年11月16日(土)

土曜日。

休みの日だから、朝から来ていてと言われて、ずっと病院にいた。
じきに食べられなくなる、という切迫感からか売店でワッフルや菓子パンをあれやこれやと買ってきて、ボソボソと食べている。
調子悪いから入院しているのに、普段食べない物まで食べて
どうすると心配になる。わたしにも食えと言う。
さすがに、なんだか胸がいっぱいで食べる気になれない。

売店と言えば、そこで売っている雑誌。
旅行だとか温泉だとか蕎麦だとかを特集してある新中年(?)向けの雑誌がこんなに多く発刊されているとは知らなかった。
ATUは退屈紛れに、これも買いまくって皆読んでしまっている。
わたしも病室にいて、やることもないのでずっと読んでいた。
・・・ああ、温泉行きたい☆・・・旨いもん食いたい〜☆

出張も多く、チョットした休暇もとりにくく、絶対的に朝早い仕事。
見たいテレビも見ず、読みたい本もユックリ読むこともなく
毎晩10時前には床につく。いつも緊張した毎日を送っていた。

いくら自分の選んだ仕事だと言え、
もう少しやりようがあるのではないかと、
見ているこっちもウンザリしかけていたところだった。
日曜日だけの休みさえも出掛けて行くことがままあって、
心の疲れも身体の疲れも満足に癒すことができないまま、
軽いはずの病気もこうやって拗れてきてしまったのだ。

本人には災難な今回の入院は、わたしにしてみれば目の届く範囲に帰って来たような感じがして、すべて悪いという感じがしていない。
こうやって身体の信号に気付いたら、いくらかこれからの仕事や自分を考え直す機会になってくれないかな?と願っているのだけど。。どうかなー?

病室に置いてあるテレビはプリペイドになっていて900分1000円。
一口に900分は長く思えるけど、みな淋しいからか一日中それぞれのテレビが着けたままになっている。
ところが、これが馬鹿にならない出費であることに気が付いた。
スゴイ商売があるものだ!
100人から毎日1000円取れたらいくらになる?
毎日寝てる以外ついつい着けてしまうテレビ。24引く9は900分だ。
毎日1000円、テレビに掛かる?
わたしはATUに30分観たら10分消すように頼むことにした。
少しでも節約しようとラジオを買って持っていったけど、
やっぱりテレビの存在感には負けてしまう。


午後、外出許可をもらって散髪に行った。
外で改めて姿を見ると、未だ何日も経たないのに、
すっかり病人の様になってしまっている。
入れたままの点滴用のチューブが痛々しい。

入った床屋さんは、妙に静かなお店。
優雅にコーヒーを点ててくれる床屋さんで、若い理容師さんが、ひざまづいて顔剃りやマッサージをしている。なんか異空間に来てしまったような時の流れだ。床屋さんって美容院よりお客さん思いなのだろうか?

ATUがユッタリ散髪してもらってる間に、わたしは床屋さんのすぐ近所にある、いかにも趣味でやってるという感じの蕎麦屋で遅いお昼を食べた。
一人で外食するのは随分と久しぶりな感じがして、いつもより心細い。
少し細堅いしっかりしたお蕎麦で一茶庵のみたいだった。
でも、やっぱりお蕎麦は東京だったら、昔の江戸周辺がいいなと思う。
鴨せいろを食べたので、そば湯飲むのに「蕎麦猪口を別に下さい」
と言ったら、お給仕をしているお店の奥さんが、伏し目がちながら
「我が意を得たり」な表情をしたのが嬉しかった。

先生への謝礼の件は、わたしの中でも未だ解決していない。
散髪屋のご主人の奥さんが子宮癌で手術して同じ病院に入院したという。
姑から病院によって違うから、誰か知っていそうな人が居たら尋ねてご覧なさい。と言われていたので、早速ご主人に訊いてみた。
床屋さんは3万円包んだと教えてくれた。

受け取らせない病院もあるらしいけど、(ホントかな?)
受け取るという事は確認できた。
そして、その金額は大層なものではなかった。
そうか、この金額なら気持ちとしてお渡ししても不自然ではない。
・・・でも、この金額なら、まったくお渡ししなくても構わない額でもある。。

?・・・やっぱり、悩みは消えなかった。

勿論お金をもらって嬉しくない人は居ない。ということで世の中を見てはいけない、と言う考え方もある。
実は、わたしは一時期、西伊豆の温泉ホテルや赤坂のしゃぶしゃぶ料亭で仲居さんをしていたことがある。家業が料理屋だったので、自分で納得したくて首を突っ込んでみたのだ。もちろん、そういう世界と医療の世界を一緒にすることができないのは承知なのだけど、チップを貰うと、それなりに嬉しかったのを思い出す。
仕事としてのサービスは、貰っても貰わなくても違うことはなかった。というか、忙しいので、それ程大きな違いを着けられないと言うことの方が近い、だから逆に自分の仕事を喜んでもらえたのだと思えて嬉しかった。

・・・先生も自分の仕事を受け止めてくれた、と喜んでくれるだろうか?


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猫への虐待、許しませんよ!


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