最近、ちょっとしたパートを始めた。 結婚式の写真アルバムを手作業で仕上げる仕事。 ATUの入院する病院に近くて、時給がいい。 一応、デザイン事務所。 内容は大分違うけど、使っているソフトなどが自分の勉強に近いので、 いくらかは抵抗なくできる。 仕事の内容は、紙をカッターや手で組み合わせて 台紙の上にその組み合わせた紙を貼り、写真をはめ込んでいく。 まだ、全行程が見えていないけど、仕上げまでやっているみたい。 本来は台湾でやっていた仕事だそうだ。 来ている人たちは、皆40代、50代。 新聞記者だった人、挿絵描きだった人、 製版屋さんだった人、写植屋さんだった人などなど・・ 時代に置いて行かれた仕事をしていた人たちだ。 それらの仕事がコンピュータ化されなければ 今でも立派に現役か、指導者の立場で居られた人たち。 リストラにあったり、独立の準備をしていたらアッという間に 技術が変わってしまい、動けなくなってしまった人たちだ。 わたしも出版社にいた頃は、写植を切ったり貼ったりの作業を 相当数やったものだ。原稿写すのもみんなすべて手作業だったから、 そういう手仕事が好きな人というのもけっこう居たものだ。 手仕事が好きと言うだけでも 立派な動機になれたこともあったわけだ。 社長の奥さんは30代後半くらいの台湾の人で、ものすごい働き者。 質素な面立ちで、一心不乱に働いている感じ。 日本語はあまりできないけど、いつも早口で指示出している。 夕方、紙の裁断機を動かす人が出勤してきてラジオをつける。 日が暮れて、もうすぐ5時になる頃、ニール・ヤングの 「ハート・オブ・ゴールド」が流れてきた。 みんななんとなくシンミリ聴いている感じが漂っていた。 すると意外にも彼女が一緒に歌い始めた。 ずーっと、ずっと曲が終わるまで、 作業しながら低い小さな声で歌っていた。
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