『偏愛的猫生活』☆muux

◇登場人(猫)物◇=01年6月頃生の純日本猫♀、竹藪に捨てられていた。
ザジ=02年11月頃生 03年1月21日から同居。Mixアヘ〜猫♂9.2kg
ATU/ダンナ=絵描きになりたかった地質調査技師。ウドンは柔らか目。四国・松山出身
わたし=実は雑踏が大好き。道玄坂の奥がふる里 →<about me>

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遠藤賢治さんの歌 2002年11月01日(金)

「麦ちゃ〜〜ん、、、」
 おとうしゃん、お腹切るのよ〜〜〜。。。」

病院から帰ってきたダンナが、
ミョーーーに心細そうな甲高い猫撫で声で、麦に話掛けている。

横目で見ながら、なるべく触れないよーに知らん顔することにした。

切るとか、ビョーキとか、血とかにことのほか弱い。
わたしだってヤだけど
男の人ってみんなそうなのだろうか?
歯医者の前で見張ってたら、何度も前を往復して
いっこうに入らないから捕まえて入った。
と言うような話ってよく聞く。

粟粒のようなデキモノが目の縁にできた時、メス入れただけなのに
手術した〜〜、と大騒ぎしたくらいだから
お腹切るなんて、卒倒ものなのだ。 

少しは自分でも闘ってもらわないと困るので
こういう時は、あんまり関わらない方がいいかなーと思って、
なるべく冷たくしている。

そのうち窓の方から、哀れっぽい
変な声で歌うのが聞こえてきた。

「ダレ〜カガ、トントン〜〜 キッチャッ〜ァタッテ〜
 フーーーン、ンンンンーーー〜〜〜〜〜〜〜」

「オナ〜カヲーー♪トーッテモ、イタイダロウニネーーー・・・・」

「キッチャッ〜ァタッテ〜 フーーーン、
 トーッテモ、イタイダロウニネーーー・・・・
 ンンンンーーー〜〜〜〜〜〜〜」

「ダレ〜カガ、オナ〜カヲーー、ダレ〜カガ、オナ〜カヲーー、
 キッチャッ〜ァタッテ〜、フーーーン♪
 トーッテモ、イタイダロウニネーーー・・・・」

「ンンンンーーー♪カレ〜〜ライスゥ〜〜〜〜〜〜〜♪♪」

・・・・とひつこい。

「ねえ、ねえ、この歌なんだっけ、遠藤賢治の歌だよね。
 コワイ歌作るよねーー、切っちゃった切っちゃったってサー」

シリアスなのか呑気なのか、
さっぱり分からない人だダンナは・・・

あのね、こわいのはアナタの方でございますよーー

彼女が慣れない台所に立っていて、のんびりカレーができるのを待ってる
幸せでほのぼのとした歌を「日常に潜む恐怖・スプラッターソング」
にしてしまったのは、アナタですわ☆
もっとも、この歌の頃はそんな時代じゃなかったけど
今なら何があってもおかしくないから、よっぽどその方がコワイか・・・?

お腹を切ったのは、三島由紀夫で
そのニュースを寝ころんでTVで観ながら
若き遠藤賢治さんはカレーができるのを待ってたんですねー
「んんん〜、とっても痛いだろうにね〜」て歌いながら


 



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猫への虐待、許しませんよ!


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