カンラン
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2003年02月23日(日) 大洪水





心待ちにしていた映画がやって来た。

広島は昨日より上映開始。

東京に住む友達も以前メールで「観たい。」と言っていたけれど,

多忙の隙を見つけて無事観に行くことはできたんだろうか。



電車の線路に沿って

勝手の良さそうなあの小さな商店街のある町まで歩いて行きたい気分だったけれど,

今日の映画は市内中心地の地下映画館にて上映される。

時間までタイ料理を食べたり,ぶらりぶらりとして過ごす。



そう言えば最近,ひとりで映画に行く機会が激減した。

ひとり鑑賞の理由を聞かれたときには,

「感情の起伏が激しいくせにそれをあからさまに人前にさらすことに抵抗があるから。」

という具合の答えを返してきた。

それに感想の語り合いみたいなことも苦手だったりするし。

この辺については今もそんなに変わってないし,

もはや変わりようもないのかも知れない。

ただ今は一緒に並んで映画を楽しみたいと思える人がいて,

その人だったら私がいかに横でずびずびしようとも

それはそれで受け入れてくれるように思うからだ。

万にひとつそうじゃなくても,

私も変に気を使ってごまかしたりしないでいいような空気をつくってくれる。

そんなわけで二人連れ。



今日の映画もコメディタッチとは聞いていたが,

ご多分に漏れずずびずびずびずび大洪水を起こしてしまった。

それだけでなく思わず「うぅっ・・・。」などと声を出してしまいそうな場面も。

あぶない,あぶない。

劇場内ではときどき声を立てて笑う人に出くわすけど,

声を立てて泣いてしまうのだけはどうしても避けたい。



次回上映を待ちわびてずらり並んだ人たちをかきわけ

トイレに行くことを躊躇してしまった私は,

目の下が真っ黒黒になってないことだけを確認して

真っ赤赤な目と鼻をしたまま夕方前の白々しい雰囲気漂う映画館の外へ。

歩きながらまた泣けてきて,

ここまでいくとひとりで観に来なくてよかったなぁと

妙に客観的に思う自分が何だかおかしかった。







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