カンラン
←過未→


2002年11月08日(金) 左耳を冷ます




予想通り。

かかってきた一本の電話。

もちろんこっちははっきりとした理由があって請求に応じなかったのだけれど,

相手の人も自分の立場を守ろうとして必死でしがみついてくる。

突き放したように言うならば,理不尽かつ自分勝手な理屈をまくしたてて。

あー。

でもわかるんだよね。

こういう状況になったら私もきっとパニックになるだろうしなぁ。

自分の職場の上の人からぶぅぶぅ言われ,

うちとこに問い合わせてもいい返事が得られない(得られるはずもない。)。

板ばさみだ。

とは言うもののうちだって法律で決まってることを曲げるわけにはいかない。

なんとかわかって欲しくてちょっと強いめに言ってみても効果は出ず。

受話器から私の耳へと次から次になだれ込んでくることばたち。

うわぁぁぁぁ。

埋もれちゃいそうだ,私。

結局むかいの席で私たちのやりとりを聞いていた上司がぷちっときれて選手交代。

しばらくの落ち着いた会話の後,

ものすごいぴりぴりとげとげ痛い感じの展開になっていった。

私はだめだ,こういうの。

そばで聞いてるだけでじわっと目が熱くなってくるよ。

結局さようならの挨拶もないまま回線はぶちっと切られて終わった。

大人に使い古された教科書通りのことばみたいで嫌いだけど,

みんなそれぞれに立場があるからね。

仕方ないんだろうね。

できるだけ多くの人がしあわせにおだやかに暮らせるように決まりごとがつくられて,

それに沿って物事をすすめていくのがきっと人間生活っていうものなわけで。

情とかそんなんをいちいち持ち出してたら誰も割り切って仕事なんてできない。

例外,例外,って小袋を次から次へと

まるでクリスマス・ツリーのかざりものみたいにぶら下げてくわけにもいかず。

それって同時に「淡々と」とか「薄情」とかそんなふうに呼ばれる状態でもあるんだろうけど。

・・・って考え出したら前には進めなくなってしまう。

それにしても強くて優しい人ってどんな人だろう。

私はそんな人になりたい。

けど,きっとむずかしいさじ加減だ。

料理で言えば鉄人級だ。

揺さぶれば波立つ極端な私には実現できないかもなぁ。




週末,もし晴れたら紅葉観にいきたい。








BROOCH |chut! mail マイエンピツに仲間入り