カンラン 覧|←過|未→ |
ずらずらずらっと見頃マークが並んでいるのを発見。 広島県の花(らしいですよ。)はモミジということもあって, 県内いろんなところに紅葉のきれいな場所があるようです。 ・・・実は私,はじめてなんですけども。 思い立って「紅葉観に行こう」メールを送信したのがたしか一昨日のこと。 その後あちこち場所を吟味した結果, 程よいお出掛け感を味わえる宮島へ行くことになりました。 ちょこちょこ宮島に渡っているつもりだった私ですが,今回気付いたこと。 人の少ない宮島しか知らない,ということ。 地元だからでしょうか・・・ どうやら平日とか夕方とかにしか行ったことなかったみたいで。 たくさん人を乗せたフェリーがひっきりなしに宮島口と宮島とを行き来するのを眺めていると, なんだか遠いところを旅しているような気分になりました。 フェリーの客室からもところどころに真っ赤な木々が見える島。 いつも思うことだけど, 小さいころよく目にした地図上の島って,ほんとちっちゃい。 イメージ的に人がやっと爪先立ちで乗っかれるような・・・。 でもどんなに小さく描かれている島でも,実際はそれなりに大きいわけで。 ずんずんずんずん迫り,ついには視界いっぱいに広がる大きな島。 当たり前のことではあるんだけど,いつも思ってしまうこと。 宮島の桟橋には, 登山っぽい服を来た人, 歩きやすそうな靴をはいた人, バギーを押す家族連れ, ピン・ヒール履いた若い子, 半袖(!)シャツ着た外国の人。 さまざまな目的で集まったさまざまな人。 私たちもそんな渦の中の人になる。 厳島神社へと繋がる道を歩いては砂浜に逸れ,浜が波に消されればまた道に戻る。 そんな感じでゆっくりゆっくり歩いていたら,お腹がすいて来た。 乗船前に買った山賊むすびは 紅葉のきれいな場所で食べることに決めていたので, 紅葉谷公園へと続く細い坂道の途中で焼きたてのもみじまんじゅうを2つ買って, その甘ぁいにおいとふあふあと立ち上る蒸気をちびちびと楽しんだ。 焼きたてのもみじまんじゅうなんてひさしぶり。 ぱかっと割ったら,やっぱり薄紫のあんこが入ってた。 紅葉谷公園内に入ると,さすがに行楽客がてんこ盛り。 古くて小さな橋には気の毒なほど, 歩みを止めては頭上や眼下の彩りを楽しんでいる,たくさんの人,人,人。 目がびっくりしてしまいそうなぐらい真っ赤っかの紅葉や真っ黄っきの銀杏の木。 修学旅行生と思しきジャージ姿の一団に時折まわりを囲まれては むかしばなしをしながら進む。 どこへ向かってるんだろうねぇ,などと言いながら。 ・・・気付けば登山道に入ってしまっている。 たしかに勾配もきつくなってきた。 ほどよいところで引き返し(下りって思った以上に,膝がくがくになりますね。), ロープーウェイ乗り場へと続く道から少し逸れたあたり, 川べりに腰掛けて街に待った山賊むすびを食べる。 広島の方言がいくつか書かれたおなじみの包み紙。 「これはわかるね。」 「これは聞いたことないよね。」 ひとつひとつコメントしながら大きなおむすびをたいらげた。 おむすびによって刺激された胃2つを抱えて少しずつ紅葉色の山を下り, 商店街で揚げチーズもみじとあなごちくわを一つずつ買って,はんぶんこした。 帰りのフェリーに乗ったのは15時頃。 人でいっぱいの客室にははなから入らず, デッキから緑色の海や,遠ざかっていく島,近づいてくる対岸の街の様子を眺める。 私たちはきれいなところに住んでるなぁ,と思う。 ほんとに。 電車乗り場のベンチで1本電車をやり過ごしてから市内行きに乗り込む。 一番先頭に座って風景を楽しむつもりが,うとうとと眠ってしまっていた。 目を開けて一番はじめに目に飛び込んできたのは, むかいに立った女の子が握り締めているきれいな紅葉だった。 きれいなものを見た一日。 今年の冬は少々さむくても大丈夫そうだ。
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