カンラン 覧|←過|未→ |
案外早い目の時間にぱちっと目が覚めたりする。 いつもの川沿いの道をゆっくりと上っていく。 うちの近くに架かる壊れかけの橋から6つ。 その橋のたもとの浅瀬でつくられる たくさんたくさんの波紋。 私の手首の太さもないような細い細い首を すっくと立たせた小さな白い水鳥が 今日も飛ぶ練習をしている。 たったひとりで。 ばさばさばさと羽をいっぱいに広げては ばしゃばしゃばしゃと蹼は水を掴み輪を描き 水鏡に映った私を揺らす。 もう少し。 あと少し。 自由に飛びまわれる日が近いことを 信じている 知っている そのひたむきな姿はとても美しく力強い。
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