Dance日記帳
モクジキノウヨクジツ


2007年02月22日(木) 平成万歳風俗絶賛

日記のタイトルだけ見ると、少々怪しい。
しかし、先日からの日記を読んでいる方には何を謂わんとしているか、すぐに察知できるだろう。

「平成風俗」がドロップダウンされた。
当然の如く、事前に予約を入れて、発売日に速攻ピックアップしに行く。
周りのプラスティックラップを剥がすのももどかしく、プレイヤーへ。
曲のリストを見るだけで十分予測できたが、それはもう、想像を遙かに超える作品だった。

今更、此処で語らせて貰いたい。

何故、林檎なのか。

彼女ほど、日本を代表するジャズもシャンソンも歌い、創れるアーティストはいないから。
一般にはロックと称されているようだが、それはカテゴライズが違う。
今回の「平成風俗」をじっくりと聞き込んで戴きたい。
リリックの言葉選び、耳に残る音をどう表現するか、フックとして密かに入れる和楽器、巧妙なアレンジ…
其の素晴らしさを此のようにして言葉にするのも可笑しい。

兎に角、今回のアルバムに於いても、彼女の才能の素晴らしさにひたすら感動するしかないのだ。

彼女の歌声を「聞き苦しい」「汚い」などと謂う輩も存在する。勿体ない。
単に、美しく、パーフェクトな声など、どこに魅力があるのだ?
ダンスも同様。
単に、美しく、パーフェクトな踊りなど、パリオペラ座のプリマバレリーナに任せておけば良い。
美しい歌声ならば、パヴァロッティで満足して戴きたい。

何処か、少し、歪で、アンバランス。
其れが、脆く見える傍ら鋼のように強く。
何時、失うか、不安感で一杯になるほどの儚さ。
時に優しく、時に淫靡に。
斑があり、癖があるから、堪らないのだ。

人は、生きている限り、いつまでも不安定で揺らいでいる。
だからこそ、いつの日か完璧になれればと夢をみることができるのだ。
完璧になることが仕合わせなのではない。
夢を見られることが、仕合わせなのだ。
其れに気付かせてくれた、最高のアーティストが椎名林檎だ。


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