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2005年03月24日(木)

危険物。

職場でのこと。
事務所を出たところで、青年社員Mちゃんが大きな袋と格闘していた。
何か粉末がつまっているらしく20キロはあろうかという大きな袋に、なぜか業務用ラップ(クレラップの3倍くらいの幅がある)を巻こうとしていた。どちらも重い。かなり重い。ゆえに彼も必死である。
「大変だね、手伝おうか〜」
そう言いつつ、脇を通り過ぎようとしたワタシ。それは単なる通りすがりの挨拶だったのだが、
「え、ほんと♪♪」
Mちゃんが嬉しそうに顔を上げる。
…まじか。
「持っててください。ここね、押さえてて」
袋を立てていてくれと、彼は言う。
仕方ない。
言われた通りに、ワタシは袋に手をかけ、ラップを巻く彼の邪魔にならないように、いっしょにクルクル回るハメに。
一回、二回、三回、四回…。
彼はやけに、熱心にラップを巻きつづける。
「厳重だね。袋が破けてるの?」
「穴が開いてるだけだよ」
「ふうん」
それにしては、やけにグルグル。
さんざん巻きつづけた彼は、やっと気が済んだらしく、ラップを切った。
「ありがと♪ 助かった〜」
「いいえ。ところで、これは何? 粉みたいだけど。小麦粉?」
袋に書かれている文字はすべてアルファベットなので、たぶん英語だと思うのだけれど、一番大きく書いてある単語には、ちょっと見覚えがない。といっても、『小麦粉』すら、実は英語で何と書くか知らないのだが。
「何かの原料みたいだよ」
「原料って、危険物だったりしてね〜。ははは」
「そうだよ。だからすぐに手を洗ってね」
「はい???」
思わず大きな声を出したワタシに、彼は得意そうに言った。
「袋に、『触ったらすぐに水で洗い流してください』って書いてあるんだよ。俺ね、英語はちょっとわかるんだよね〜。ふふふ」
…ふふふってあなた。
「どうしてそれを先に言わないのよ〜(泣)」
慌てて周りを見渡すと、袋を運んできたらしい台車に、白い粉が、ひと匙散っていた。ひえ〜っ。
「危ない〜(号泣)」
「…だって、先に言ったら、手伝ってくれないじゃん」
ね♪ と、笑顔で同意を求めるジャニーズ系青年、Mちゃん。
ごもっとも。
これからは、状況をみきわめてから声を掛けようと心に決めたワタシだったりする。






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