ウラニッキ
You Fuzuki



 【求婚】(白珠の巫女番外編)

「そういえばさ」
 隊舎の食堂。いつも代わりばえのしないメニューを並んで口に運びながら、ふと思いついたようにエドマンドが呟いた。
「プロポーズはしたの?」
「――――」
 人参の浮かんだスプーンを口に入れる寸前で、若い騎士の身体が硬直した。
 あくまでもなめらかな動きで自分のフォークを皿に置くと、エドマンドは隣ににやりと笑いかける。
「そこでスープ吹かないのがセシルの凄いところだよねー」
「……なんですか、いきなり」
「ん? だから。プロポーズ、もうしたのかって訊いてるんだけど」
「誰が、誰に、とか……」
 そこで一度台詞を切ると、セシルと呼ばれた青年はふうとため息をついた。
「訊き返したら怒られるんでしょうね」
「わかってるじゃない」
「してませんよ、まだ」

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……短ッ(笑)

2003年06月23日(月)
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