3年前に定年でパートを退職したYさんが泣きながら電話をしてきた。 姑と暮らしているYさんは昼間、姑と二人きりになるのがイヤで定年退職したあとも仕事を見つけてパートに出ている。 その姑さんが家でこけて肋骨の骨折をしたようで、病院へ連れていったけれど老人だから安静にするだけが治療だからと入院させてくれなかったらしい。 当の姑さんは痛みはあるものの気丈な人で、自分の身体が思うようにならない苛立ちをYさんにぶつけているようだ。 もともといい関係を築けていなかった姑さんとYさんだから今回のことはお互いに辛いのだろう。 その姑さんはYさんのダンナさんの実の母ではない。 Yさんのダンナさんが小学生のときに後妻さんに入られて、男の子と女の子を儲けているがその人たちは別に家庭を持っている。 Yさんのダンナさんにしたら育ててもらった恩はもちろん感じておられるけれど、姑と嫁の細かい心の内までは男の人には理解しにくいようだ。 寝たきりに近い人のお世話にしんどい思いをしている60代の夫婦にとって、現在の状況はときとして喧嘩のたねになっているようだ。 それでも思うようにしてあげれない自分が情けないと電話してきたのだ。 私もパートを長期休暇して義父と義母のもとへ行ってたとき、だれかに現状とか今の気持ちとかを聞いてほしくて、「いや、こんな愚痴を人には話せない」とひとりで泣いたこともある。 Yさんの今の気持ちはあのときの私と一緒だ。 親の介護は兄弟の関係でもある。
介護に関する暗いニュースもよく目にする最近だけれど、たいていの人間は老いて病まなければ死ねないのだ。老いは残酷だといまさらながらに思う。
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