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「 この世で最も恐ろしいもの ー良心がみせる悪夢ー」
2020年03月01日(日)



 寝苦しい初夏の夜に 心臓をバクバクさせながら起きる

 起きるくらい悪夢にまとわりつかれた

 何のことはない、手に入れられていない地位がない、と己を責める夢だった

 なぜそんなにも地位にこだわるのか

 自分でも不思議でならないほどだ

 なんでだろうか

 地位があれば高い収入が約束される 

 高い収入で手に入れたいものは、家、車、家族、安定 感謝しあう生活 ゆとりのある時間などである

 けれども、地位がなくとも全て手に入れているのである

 人々からの尊敬もすでに手に入れてしまっている
 
 なんでだろうか

 他に欲しいものなどない なのになぜだろう
 
 悪夢にうなされるほど、地位が欲しくて心臓がバクバクする

 ほとほと情けなくなった


 思い返してみれば、自分に言い訳をしていた

 夫婦で、子育てが忙しいから地位を手に入れるのを少し待とう、と話し合いをした

 それに安心してしまった 

 子育てで忙しいからと地位を手に入れる努力を怠けてしまった

 ああ、地位を手に入れなくていいんだ、と心のどこかでホッとしてしまった

 ホッとしたのは、怠けようとしたからだった

 そんな自分を良心が許さず、責めるのだろう

 
 お天道さまが出ている昼間は誰も私を責めない

 社会活動をすると褒められるし、自信満々に見えるようである

 私は色々と恵まれているとも感じるし、実際にそう感じてもいる

 家族の中では、有り難いね、と毎日言い合っている
 
 もうこれ以上、欲しいものはない 望むものもない


 けれども、お天道さまが隠れた丑三つ時を過ぎるとそうもいかない

 私の良心が化けて出てくる

 よく、この世で最も恐ろしいのは人間だ、なんていう

 それに、人生の答えは己の中にある、なんてもいう

 恐ろしい人間と己の中の答え、なるほど、なるほど

 自分の良心が悪夢を見せるはずだ

 良心は決して見逃さない だって自分だもの

 この世の中で最も恐ろしいものを見ちまった

 それは良心がみせる悪夢



付記 もし、人殺しなんかしていたら、とんでもない悪夢だったろうなぁ くわばらくわばら

 


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