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「 宰予昼寝の名言 −送別会にて− 」
2016年01月15日(金)



 送別会の宴、高級な食事を喰らい、ゲロを吐く人々がいる。

 喰らって舌が美味しくなったら、直ぐにゲロを吐くのだ。

 過去の経験を想い出して、吐きだして良い思いを思いを、直ぐにゲロするのだ。

 喰らってはゲロ

 喰らってはゲロ

 己の欠点への反省などなく、ただひたすらに

 気恥ずかしさを誤魔化すように酒を急いで飲む

 後で「言わなきゃよかった」、「疲(憑か)れていたから」等とゲロの匂いに咽(むせ)ぶだけ。

 喰らってはゲロ、は止めはしない。


 けれど、ゲロにもよさがある。

 臭いにおいへの嫌悪感で凡人は嫌々ながら、行動するのだ。

 上辺だけの綺麗なことば、おべんちゃら、迷惑を掛けないように、世間が怖くて美辞麗句だけ言う凡人に、創業は成し遂げられない。

 
 孔子はゲロを嫌悪しながらも、ゲロに己のゲロを掛けた。

 清流だけの世界等無いと覚悟を決めて、それでもゲロを純化するために己のゲロを掛け合わせたのだ。

 宰予昼寝の名言は、純化せるためのゲロ掛けそのものである。

 
 私は、この目の前のゲロを吐くだけの空気の読めない人に、何と声を掛けようか、何と答えようか

 宰予のように名言を言うことは出来ないでいる

 孔子よ、あなたのように声掛けをすることが出来ないでいる

 不可能な清流だけの世界を追い求めることと同時に、目の前の人間に茫然としている

 孔子よ、私はあなたを目指すべきなのだろうか
 
 あなたは、当、と言わないであろうか


 時間が来て宴は酣(たけなわ)で終了。お決まり通り。

 お決まり通りで死ぬ人間の運命はどこかに消えていた宴であった


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