送別会の宴、高級な食事を喰らい、ゲロを吐く人々がいる。
喰らって舌が美味しくなったら、直ぐにゲロを吐くのだ。
過去の経験を想い出して、吐きだして良い思いを思いを、直ぐにゲロするのだ。
喰らってはゲロ
喰らってはゲロ
己の欠点への反省などなく、ただひたすらに
気恥ずかしさを誤魔化すように酒を急いで飲む
後で「言わなきゃよかった」、「疲(憑か)れていたから」等とゲロの匂いに咽(むせ)ぶだけ。
喰らってはゲロ、は止めはしない。
けれど、ゲロにもよさがある。
臭いにおいへの嫌悪感で凡人は嫌々ながら、行動するのだ。
上辺だけの綺麗なことば、おべんちゃら、迷惑を掛けないように、世間が怖くて美辞麗句だけ言う凡人に、創業は成し遂げられない。
孔子はゲロを嫌悪しながらも、ゲロに己のゲロを掛けた。
清流だけの世界等無いと覚悟を決めて、それでもゲロを純化するために己のゲロを掛け合わせたのだ。
宰予昼寝の名言は、純化せるためのゲロ掛けそのものである。
私は、この目の前のゲロを吐くだけの空気の読めない人に、何と声を掛けようか、何と答えようか
宰予のように名言を言うことは出来ないでいる
孔子よ、あなたのように声掛けをすることが出来ないでいる
不可能な清流だけの世界を追い求めることと同時に、目の前の人間に茫然としている
孔子よ、私はあなたを目指すべきなのだろうか
あなたは、当、と言わないであろうか
時間が来て宴は酣(たけなわ)で終了。お決まり通り。
お決まり通りで死ぬ人間の運命はどこかに消えていた宴であった