深海に揺らめきながらゆっくりと降る雪
行った行為の業が赤い肉団子の海にシースノー
想い出すと今でも狂おしいらしく、積雪が微風に、ブゥ、と遊びだす
白い積雪の富士を映えさせる染井吉野が連れてくる春のそよ風も、生命の連帯と自己肯定を与えてくれる中秋の名月の艶やかな風でもない
灼熱の太陽と狂気の湿度も、たんに体温を奪うだけの寒気と排気ガスで汚れる地上の雪でもない
決してそれらでは触ることさえ出来ない肉団子の奥のシースノー
誰かと同じ行為をすれば
いいや、愛でこの肉団子を熔かしきるしかないのだろう
深海に揺らめきながらゆっくりと降る雪
行った行為の業が赤い肉団子の海にシースノー
熔かしきって昇華して満月を目指すか、このまま地上で自然の営みに身を任せるか、それとも深海に帰郷するのか、
注記:シースノーは深海に見られるプランクトンの屍骸が地上の雪のように降る現象のこと