母鳥の愛の巣から、羽ばたこうとする営みの苦しさは眉間に深い皺を刻み込んだ
肩甲骨の躍動では決して消し去れない苦しみは、世界を広げなければ消えないと君子は囁いた
職や性や機械や衣食の快楽は、歴史が鏡のように繰り返してはいつの間にか後戻りさせるよ
書生の一室で得た知識など、強大な暴力の前には1本の蝋燭のように消え去ってしまうんだよ
流氷つく湖から真冬には濁る海、湾曲美しい砂浜から夕日に沈む渦巻きの群れ、商人の意地が残った都会から異国の兵が占拠する深夜まで津々浦々と
自らである事を放棄した消費社会の落とし子から、薬物だけが親友で一緒にいてくれる娘から、精神のストレスを肉体にストレスで与えることでしか解消できない人から、暴力衝動が抑えきれなくて何度も繰り返す友と
心を重ねてきた
口を紡いできた
肉を交してきた
遥かな地点へと世界を広げようと 広げようと
眉間の苦しさを全てばら撒けるほど遠くへ、薄めてしまって気がつかなくなるほど遠方へと
けれど、彼らは私の遠くにあったのではなく、実は私が持っていたものたちであった
私が持っていたから彼らを引き寄せてきたのであった
背理法でもなく数学的帰納のように無限遠への道でもなかったのだ
眉間の皺が緩んで、寒中の三日月が視界に入るようになり
君子の囁きから始まった性活は、ついに、無限縁の彼らと交わりをもたらし、背理法さえ否定した
題はRAMJA「愛の性活」から