いきなり白い粒が眼球に突き刺さり、黒い闇を連れてきた。
遅れて右ひじを顔面の前に差し出して、ビョィ と顔を狭めた左肩へ逃げ出させた。
ゴツゴツと大きな左手を眉毛(まゆげ)から垂れ降ろすと、手の真ん中に瞼(まぶた)重なった。
暖かくなったお陰で白い悪魔が溶け出して、風邪の汗と頬骨の上で交じり合ったのだった。
眉間に皺(しわ)を寄せながら薄目を開けると悪魔たちの死骸(しがい)が燦々と光り輝いていた。
神のように虹色のオーラを背負いながら、気まぐれに飛び立って遊んだりしながら。
曲げた背中のまま、顔面を左肩から右ひじへゆっくりと向けてつつ、さらに薄目に磨きをかけた。
どうやら風の精霊たちは過ぎ去ったようだ。
手袋の両手で服の氷を払いながら背筋をはり、
悪魔と精霊の世界から抜け出ようと、無意識に左ももが踏み出たのだった。
注記;「ガシドラ」は、京都の東山ドライブウェイの略語
執筆者:藤崎 道雪