「浮気してるでしょ?」って言葉に、気軽に「してるよ♪」って返した彼。
最初に冗談で言ったから、言葉と反対の意味でとっちゃった。
冷静になって感情が盛り上がってくるのに1分とかからなかった。
「いったいどういうこと?」って言うと、「よく分からないんだ」って。
「じゃあ相手には浮気って言ってあるの?」って聞くと、「君がいることは言ってないし、それに前、冗談まじりで「別れる」って言っただろ」だって。
私は途端に悲しくなった。
だって、だって。
「じゃあ彼女には毎日会いたくて、でも私には会いたくないのに会ってる?義理だから?お金目当てなの?」
って探ると、
「それが。相手に毎日会いたいわけじゃないし、君も同じなんだ。よく分からないんだ。」って。
別々に並べてある蒲団の向こうで、暗闇だから見えないけど涙を流しているかもしれない。
だって、声がしわがれているから。
何だか老人ぽいのに子供なのね、って。
でも真剣に答えてくれたのは、1年もの付き合いで分かってる。分かってるわよ。
全く分からなくなっちゃったけど案外冷静な自分がいたのに、ちょっと驚き。
冷静な私はどうしたらいいんだろう、って神様に聞いてみた。「止めなさいって」
親友も同じだった。
私は世間様にも、両親にも聞いてみる。「止めなさいって」
彼からも神様からも世間様からも親からも親友からもはなれちゃって、ぽかんと独りぼっちになっちゃった。
まるで、真夜中に、空も見えないほど暗い夜に、落とし穴に落ちたみたい。
執筆者:藤崎 道雪 (校正H15.10.16 )