どかり! と白い洋式にすわり、プゥ! と屁がでた。
あぁ〜 と大きく息を吐き、高くない鼻を大きく開く。
ゴァ! っとくさい放屁が襲ってきて、トイレが壊れそうな大声を立てて笑った。
深呼吸した時のように頭がしっかり澄んでくると、木製の濃茶の扉、左右の白壁、
足の下にある黄色のトイレマットが次に視界に浮かんできた。
今は誰もいない木造平屋の一軒家。
ガラガラと開けるとドアよりも暗い茶色の廊下の先に、玄関がみえてきた。
午後の日差しが、閉じたガラス戸に淡く差し込んでいた。
立て付けが悪いので、涼やかな秋風がしかめっ面を撫で抜けていった。
もう1度 プゥ! と屁をこいた。
執筆者:藤崎 道雪 (校正H15.9.27 )