2006年04月26日(水) |
綿谷りさ『蹴りたい背中』 |
ちょっと中途半端感が否めないなあ。
すっきりすとんとふに落ちる感じがしないまんま、それでもどこかでうまいことまとまるのかと思って読んでたら終わっちゃった。
悪くはない、というより、さっぱりしすぎていてひっかかってこない感じでした。
あいかわらず、思春期女の子グループの超微妙な人間関係の内側とか、自意識が強すぎて素直になれない心情なんかはものすごくよく描けているんだけど、それを語る主人公自身がどんなキャラなのかが中途半端。 主人公は、半分大人になりかけて斜に構えているのかと思ったら、そう思っているのは自分だけで、実際は、そんなにかっこよく生きれないし、かといって素直にかわいくしようとしてみてもうまく振舞えず周りをひかせてしまうちょっと痛い存在、なんだろうと思うのですが、あまりよくわかりませんでした。 にな川という少年はオタクだけど、他の同級生にはないなにか個性的でかっこいい何かを持っているっぽい・・・。ぽいけどさ。 にな川に対する主人公の好意が「蹴りたい背中」っていう言葉で表されてるんだと思うんだけど、”憎たらしいほど好き”みたいな気持ちでもっと共感させて欲しかったなあ。
うーん、もうひと練り欲しかったです。
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