2006年02月04日(土) |
人生のボーナストラック |
車の運転中、携帯電話が鳴りました。 「もしもし」 聞こえてきたのは予期せぬ声。 あの人の番号はもうアドレスから削除してあったのでとても驚きました。
OB杯を前に、練習するならばやろう、という電話でした。 「いいよー。やれるならばやろうよ」 私は気のいい女友達の声で告げました。
久しぶりに思いがけずあの人に会うことになりました。 何よりも気がかりなのは自分があの人の目にどんな風に映るかということでした。
人は自信がないものほどよく見せかけたいもんなんですね。 私は、以前あの人のことを好きでいた頃に比べて、ずいぶん人生というものに冷めた気持ちしか抱けなくなってしまって、それを私の見た目から気取られるのが嫌なのです。 私はあのころと同じように、夢見がちで、あの人がいなくっても毎日を楽しんでいると思わせたかったのです。 果たしてその願いがかなったのかは知る由もないのですが、それでも、あの人はあいかわらずのやわらかな空気で、私はとても楽しい時間を過ごしました。
だけど、二人は気の合う友達。 まがうことなく友達同士です。 私もようやくこの関係を自然に受け入れることが出来るようになりました。 この心境に至るまでにずいぶんと時間がかかってしまいました。
あの人を諦めなければならないという現実をどうしても受け入れたくなくて、ずいぶんと駄々をこねてしまったのは、私があの人を好きでいた数年間が本当に豊かで幸せな時間だったから。 あの人なしの現実がどれほどか味気ないものか、想像に難くなかったから悪あがきをしてしまったのだけど、今になってようやくわかりました。 あの人を好きになったあの数年間は私の人生のボーナストラックだったのだと。
ボーナストラックが終わったあとの自分の人生が味気なく、つまらないものなのは、あの人のせいでもなんでもなく、ただ、私の人生がそういうものだというそれだけなんです。 つかの間であっても、本当に楽しく幸せだったときをもたらしてくれたあの人に、今ようやく100%感謝できるようになってきました。
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