感想メモ

2018年01月11日(木) クローバーナイト  辻村深月


辻村深月 光文社 2016

STORY:
共働きの鶴峯家は2児を保育園に入れて働いている。保活を乗り越え、父も保育園で知り合ったママ友と交流したり、職場関係や昔から付き合いのある子供を育てる親の問題に向き合ったり…。

感想:
 「クローバーナイト」というタイトルの「ナイト」は、night「夜」のことかと思っていたら、knight「騎士」のほうだった。

 4人家族をクローバーの葉に見立て、それを守る「ナイト」を主人公の父・裕が気取るというわけで…。

 主人公は男だけれど、会計事務所で働いたりしていて、妻よりも時間に融通がきいたりするため、保育園の送り迎えも育児に関する何から何までも妻とともに行う「イケダン(イケてる男子?)」と周りから呼ばれてしまう存在である。

 共働きで稼いでいるため、掃除の業者の人に頼んでいたり、外食をよくしたり、なるべく手を抜けるところは抜いている。お金があるからできることだろうなーとは思う。「VERY」に連載されていたらしいから、確かにセレブの奥様方の生活に合わせた内容なのかな。(ちなみに我が家ではどちらもしてない…)

 様々な育児に関する問題が登場するが、保活(保育園に入るために行う様々な活動)が激化して、書面上だけ離婚を装う人もいるとか(シングルマザーの方が点数が上になり、ほぼ確実に希望保育園に入ることができるため)、お受験の幼稚園では、第2子を受験前に妊娠するとやる気がないとののしられるとか、誕生会のレベルがどこかを貸し切ってクラス全員を呼んだり、お返しの品もかぶらないようなものを全員分用意するだとか…結構すごい内容だよなー。

 実際に子育て中の私だけれど、保活は確かに厳しい噂は聞く。我が家は幼稚園も厳しい噂を聞いていたが、特に何もせずに入ることができたし、実際のところ、子供の数が減ってきているから、幼稚園に関しては前とは違うのかも。

 お受験に関しても、周りでしている人もいたようだが、我が家は無縁だったし、誕生会もいまだかつてやったことがないのだけれど。

 自分が子供の頃は確かに小学生の頃にはそんな行事もしたような気はするのだが、今の環境だと、お互いにお互いの家の中では遊ばせないみたいな空気もあるし、男だからなのもあるだろうけど、誕生会もやらないで終わりそうだなー。

 ま、ということで、この本に書かれているような世界とは、あまり縁がないけれど、それなりに面白く読むことはできたかな。


 < 過去  INDEX  未来 >


サーチ:
キーワード:
Amazon.co.jpアソシエイト
ゆうまま [MAIL]