感想メモ

2017年07月04日(火) 終わった人  内館牧子


内館牧子 講談社 2015

STORY:
定年を迎えた壮介は、やることがなくて暇をもてあそぶ。妻は仕事を持っていて、愚痴る夫が邪魔っぽい。プライドが高いため、周りのじじばばと交わることもしたくはなく…。

感想:
 最初の方は、定年退職したけれど、やることもなく、趣味もなく、愚痴ってばかりの壮介の様子に、こんな人いるかも…と思って読んでいた。結構嫌な感じ。

 そのうち、老いらくの恋っぽいことや、紆余曲折を経て、結局また働くことになったりと、話が結構色んな方向に行って、なかなか一筋縄ではいかないなと思う。

 夫婦とは言っても、やはり別の人間。仕事を持って独立を考える妻には、夫は元気で余裕のある暮らしをさせてくれるお金を持っていればいいって、それだけの存在なのかなーとも思えて、ちょっとそういう意味では壮介がかわいそうな気はした。

 でも、プライドが高い壮介は結構周りにひどい扱いをしたりとかもしているので、どうなのかなー。

 そして、男は結局田舎に帰る願望みたいなのがあるけれど、妻にはそういうのはないっていうのとかも、リアルだなと思った。

 うん。リアルなのをつなげて書いたらこんな小説ができましたみたいな…。

 まだまだ一応定年は先な我が家。そして、うちの場合は、仕事より趣味に生きたい夫だから、やることがなくて、家の中をふらふらしたりはなさそうな…。


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