2017年06月02日(金) |
翼がなくても 中山七里 |
中山七里 双葉社 2017
STORY: 将来を有望視されていた200m走者の沙良。幼なじみの泰輔の乗る車にはねられ、片足を切断。泰輔は何者かに殺害され疑われる沙良。高額の義足を購入し、パラリンピックの出場を目指すが…。
感想: ある日、突然、将来を台無しにされてしまった沙良。自暴自棄になるものの、パラリンピックに出場することを考え出し、持ち前のバイタリティで競技用の義足を作り、競技大会に出場するのだが…。
パラリンピックの選手として出場できるというだけで、ものすごいのだというのを知ることができた。お金は自前だし、義足により性能がかなり変わるようで、その義足がものすごく高額。
その上、練習なんかも経験者がほとんどいないから自分で考えて自分でやらなくてはならないし。
もともと走ることに自信があった沙良だけれど、実際に競技大会に出てみれば、スポンサーが付き、上を目指すほかの選手がいて、圧倒されてしまう。
どんな世界も上には上がいるものだなー。
そして、泰輔の不可解な死。沙良が疑われるが義足に慣れていない状態の沙良が殺人を犯すのは難しい。
しかし、その後、沙良の金めぐりがよくなり、高額の義足をキャッシュで買うことができたりしている。警察がその真相を捜査するが…。
サスペンスとしては、結末はそんな感じかなというのはわかってしまった感じだけれど、義足のアスリートについて、どんな世界なのかを知ることができ、沙良がどのようになっていくのかを知りたくて面白く読めた。
サスペンス要素は絡んでも絡まなくてもどっちでもよかったような気はするけど…。
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