  西加奈子 講談社 2014
STORY: 葉太はニューヨークに一人旅に来る。目的はセントラルパークで寝転んで本を読むこと。その目的を果たそうとしたそのとき、すべてが入ったバッグを盗まれ…。
感想: 葉太は変に人を意識しすぎて、人生を演じている。そして、自分のことがすごく恥ずかしくなってしまったりして、ますます演じてしまう。
最初は疲れそうな人だなーと思って読んでいた。
バッグを盗まれてからも、彼はニューヨーク観光初日でバッグを盗まれたバカと思われるのが恥ずかしすぎて、その場で「泥棒!」と叫ぶこともしないし、そんなことは大したことがないんですよ…と演じて、さらにパスポートやカードを盗まれたというのに、そのまま何もせずに数時間過ごしてしまう。
そして、結局領事館にも数日後に盗まれたということにしようと考える…。
ここら辺で、結構この人にはついていけないなーと思うものの、どうなっていくのか続きが気になり読んでいくと…葉太がどんどんおかしくなっていく。
その精神の壊れっぷりにますます恐ろしくなって、さらに続きが気になり出して、結局あっという間に最後まで読んでしまった。
うーん。精神の壊れっぷりがすごい。すごすぎる。
でも、こういう描かれ方だと、何となく理解できるというか…。
すごくつらそうで、どうにかしてあげたくなったけど。
両親とのトラウマみたいなものも、葉太の精神状態に関係があるんだろうか。
どうしたら楽になれるんだろうね。今回の件で少しは楽になれたんだろうか…。そうならいいけど。
父もすべてを演じており、最期まで演じ切ったと葉太は思うのだけれど、父は演じていたわけじゃないんじゃないのかなーとも私は思ったりして、思い込みが激しいというのは、生きていくのに本当に大変だなと思った。全くそういうのがなくても困っちゃうのかもしれないけど…。
やっぱり人間何事も真ん中あたりにいるのが無難だな。
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