  NHKの朝ドラ「ごちそうさん」。前作「あまちゃん」の出来がよかったため、視聴率がどうなるかと危ぶまれていたけれど、何のことはない「あまちゃん」よりも高い視聴率を稼ぎ出した。
その要因は…、多分だけど、やっぱりより幅広い年齢層に受け入れられる時代背景にあるのではないかと思う。
若者も楽しめたし、「あまちゃん」ではついていけなかった高年齢層にも受けがよかったのではないだろうか。
め以子(杏)は幼い頃から洋食屋の娘として育ち、毎日おいしいものを食べ、おいしいものには目がなかった。だが、自分からは料理をしようとしたことはなく、女学校になんとなく通う日々。
そんな時、帝大の下宿人の西門悠太郎(東出昌大)と知り合い、「魅力がない」と言われる。そこからめ以子は悠太郎においしいと思わせたいと料理を作るように。
そして、紆余曲折あって、二人は無事に一緒になることになり、大阪の悠太郎の実家へ帰ることになるが、この実家は複雑な家庭の事情があった。
悠太郎の父・正蔵(近藤正臣)は先妻を亡くし、後妻の静(宮崎美子)と一緒になるが、そこへ出戻りの和枝(キムラ緑子)が戻ってきて、二人は喧嘩ばかり。正蔵は家族を置いてどこかへ消えてしまっていた。妹の希子(高畑充希)はそんな二人の中で萎縮して成長。
西門家は和枝が牛耳っていたが、和枝は悠太郎が勝手に嫁となる女を連れてきたことが気に食わず、いけずの日々。どうやらそれは、かつて自分が義理の家でされていたことらしいのだが、め以子はそれをことごとくクリアしていくので、面白くない。
希子もそんな義姉の姿を見て、どんどん変化していく。そして、最後には職業婦人としてラジオ局で働くまでに。
め以子に子供が生まれたことから、和枝は田舎の農家へ後妻に入ることになり、西門家から出ていく。
子育てをしながらも、料理に手を抜かないめ以子は、他の子供たちにもおやつをふるまったりして、次第に「ごちそうさん」というあだ名がつく。
しかし、太平洋戦争の暗い時代へと次第に移り変わり、食卓事情もどんどん変わってくる。
自分の年頃の子供たちもまた、軍隊に入ることになるし、悠太郎も満洲へ…。
戦争で自分の息子を一人亡くすめ以子。悠太郎も満洲から帰って来ず、アメリカ人に対して憎しみを抱きつつ、毎日何とか生活をしていくめ以子。
め以子の心の中には、かつて女学校で教えてくれた先生の言葉が宿っていたのかなと思う。「うれしいときも悲しいときも誰でもお腹がすく。たとえわかりあえない相手であろうと、その事実だけは一緒です」というような言葉。この先生は関東大震災のときに亡くなられてしまったのだけれど、め以子の一生を決めた先生だったのかと思う。
そして、最後には息子を殺した相手であるアメリカ人にも料理をふるまい、たとえ人種が違ってもおいしいときの顔はみんな一緒だということを悟るめ以子。
め以子はおいしいものを作り、おいしいものを食べさせて、人が満足する顔を見たくて、毎日奮闘する人生だったし、これからもそうなのだろう。
また、め以子に意地悪ばかりしていた和枝であるが、一人息子を亡くし、義実家を追い出されたという経歴の持ち主で、め以子も子供を亡くしたので、その気持ちがわかるようにそういう設定にしたのかもと思った。
それと同様に静も正蔵の帰りを待ちわび続けて何年も過ごしたという経歴の持ち主で、これは満洲からなかなか帰って来ない悠太郎を待つめ以子と同じ気持ちになるための前振りだったのかなと。
脇役の方たちも個性的な方がそろっていてとてもよかった。
源太(和田正人)が一番かわいそうなのかなー。源太がめ以子に最終話で言ったことって、きっと冗談じゃなく本音だったんだと思うけれど、そして、それまで独り身を貫いてきているんだけど、め以子と悠太郎の絆の前にはあっけなく打ち砕かれちゃってて…。かわいそうだなー。
ま、何はともあれ、食べ物って大事。何かを作っておいしくて、そして幸せになって笑顔になれる。それって本当に素晴らしいことだ。
自分もがんばって家族のために料理しますか…。
一つ気になったのは、め以子が「料理ノート」みたいなのをつけているのだけれど、横書きで左から右に書いていたのね。この時代って看板とかは右から左に書いてあるんだけれど、ノートとかは左から右だったの? それ、すごくいつも疑問に思っていた。時代考証とかの人がついてるんだし、そんなものだったのかな?
さて、次の「花子とアン」はどうなるかな? 私は「赤毛のアン」は好きだし、村岡花子さんの一生に興味があるので、とても楽しみなんだけれど。時代も「ごちそうさん」とほぼ同じぐらいの時代だしね。視聴率はどうなるか気になるところだ。
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