| 2007年10月07日(日) |
夕凪の街 桜の国 こうの史代 |
こうの史代 双葉社 2004
映画化された『夕凪の街 桜の国』の原作漫画。
映画を見た夫にとてもよい映画だったと聞き、原作を読んでみることにした。
2部構成になっており、「夕凪の街」は、広島で原爆を受けた平野皆実が主人公のお話。「桜の国」は(一)と(二)に分かれており、(一)は皆実の姪の石川七波が小学生の頃、(二)は七波がOL時代のお話。
結構複雑な人間関係だし、断片的にしか出てこない描写が多いので、つながりを把握するのに少し時間がかかるけれど、「注」を読んだりして、何度か戻ったりすると、こういうことだったのか…というのがわかってくる。
印象に残ったのは、「母さんが三十八で死んだのが原爆のせいかどうか誰も教えてはくれなかったよ。おばあちゃんが八十で死んだ時は原爆のせいなんて言う人はもういなかったよ。なのに凪生もわたしもいつ原爆のせいで死んでもおかしくない人間とか決めつけられたりしてんだろうか」という台詞。
原爆を受けてすぐに亡くなった人だけでなく、それから何十年も経って、突然症状が現れて亡くなる人も多い。でも、時が経てば経つほど、原爆が原因なのかどうなのかもわからなくなるし、周りもそのことを忘れていっているということなんだろうなぁ…と。でも、中にはその血が流れることを拒む人もいるのかもしれず…。
短いけれど、色々なものが詰まった漫画だった。
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