遅ればせながら、見たいと思っていた『フラガール』をようやく見ることができた。
何となくもっと元気なお話なのかと思っていたのだが、想像とはちょっと違った。元気でないわけではないけれど、悲惨さがすごく際立っていた。
舞台は昭和40年、いわきの炭鉱町。かつては黒いダイヤモンドと言われていた石炭も石油エネルギーが台頭してきて廃れていく一方で、炭鉱は閉山の恐れも出ていた。それを打破するため、会社が考えたのが常夏のハワイを体感できるレジャー施設「常磐ハワイアンセンター」。従業員もフラダンサーもすべて炭鉱の関係者で・・・というこの計画は、長年炭鉱夫として働いてきた人々の間でも賛否両論分かれていた。
紀美子(蒼井優)は親友の早苗(徳永えり)にお願いされ、一緒にフラダンサーを目指すことに。東京から招かれたダンスの先生(松雪泰子)は破天荒で、町の人々とも衝突する。紀美子は母(富司純子)からダンサーになることを反対され、家を飛び出す。最初は4人しかいなかったダンサー候補たちも、炭鉱の大幅な人員削減により、メンバーが増え、彼女たちはセンターのオープンのために奮闘するのだった・・・。
何と言っても昭和40年の田舎の炭鉱町のセットが素晴らしい。家の中の様子が、悲惨だけど、こんな時代もあったかも・・・というような感じ。古ぼけたバスの様子もリアル。方言がまたすごくいい感じで、リアリティが溢れている。
ダンスの先生も辛いバックボーンを抱えているが、ダンサーを目指す女性たちも皆それぞれに事情を抱えていて、引くに引けないところでがんばっている。早苗は父がリストラされてしまったため、夕張炭鉱に引っ越すことになり、結局フラダンサーになる夢をあきらめる。小百合(山崎静代)の父は落盤事故で亡くなってしまう。
紀美子や小百合に限らず、この炭鉱には父がいなかったり母がいなかったりする家族が当たり前で、両方そろっている家の方が少ないのかもしれない。それは仕事が命を懸けてするものであり厳しいこと、そして、貧しい生活をせざるを得ないことが関係しているのだろう。
こんな悲惨な状態を脱するために、それぞれが奮闘し、常磐ハワイアンセンターのオープンを迎えるまでを描く。笑えるシーンあり、泣けるシーンあり、感動満載。もっとはしゃげる映画かと思っていたけれど、これはこれで面白い映画だった。
イメージが変わった豊川悦司演じる紀美子の兄や、常磐ハワイアンセンターのオープンに向けて奮闘する岸辺一徳、早苗の厳しい父役の高橋克実など、いい味を出していた人がたくさんいた。
もちろん最初は全然踊れなかった女性たちの踊るフラダンスのシーンも見せ場。実際に特訓して習得したそうだけれど、すごく大変だったんだろうなーと感心した。
|