安部公房 新潮文庫 (1962)1981
STORY: 教師をしている男が砂丘に昆虫採集に出かけるが、部落の者に捉えられ、砂掻きの仕事をするだけの生活に追い込まれ・・・。
感想: この小説はとても薄い。だから、すぐに読めるかと思ったら、疲れていたのもあったのか、面白いのになぜか眠気に誘われ、読むのにすごく時間がかかった。でも、とても面白い。続きが気になる。
この小説の初版は昭和37年に刊行されたらしい。昭和37年といえば、私が生まれる10年近く前の作品だ。今からだったら40年以上前の作品ということになる。
しかし、この小説を読み終わると、40年もの時代が経っているとは到底思えず、今の世の中にも十分通じうる。時代を全く感じさせないというのは、閉鎖的な社会に追いやられたという話のせいもあるとは思うが、この作者のすごい才能のひとつなのではないかと思う。
ある日、周囲に謎めかして砂丘に昆虫採集に出かけた男。新種の昆虫を見つけるのが目的だったのだが、部落の者にだまされ、砂の家に閉じ込められてしまう。そこには女が一人いて、2人は砂掻きに追われる毎日を送らねばならない。
仕事をしなければ、水やその他の配給が途絶えるという壮絶な毎日。男は何とかして逃げ出そうと試みるが、今までにこの生活に追い込まれた者で部落から逃げ出せた者は一人もいないのであった。
男があがく様子、そして、その環境に仕方なく順応していく様子、女との心の変化など・・・すごく手に取るようにわかり、面白い。
でも、なぜか眠くなったわけだが・・・。
でもでも、やっぱり面白い作品であることに間違いはない。
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