2005年05月02日(月) |
痕跡(上)(下) パトリシア・コーンウェル |
パトリシア・コーンウェル 相原真理子訳 講談社文庫 2004(2004)
STORY: ケイはかつて自分がやめさせられたリッチモンドの検屍局の検屍局長に呼ばれ、死亡原因のわからない少女の遺体について調べるよう頼まれる。かつて自分が統率していた検屍局は様変わりしていて・・・。
感想: 検屍官シリーズの最新刊。前回より変更になった三人称の文章にやはり最初は慣れなかった。が、次第に慣れてくると、今まではケイ以外の登場人物の心情についてはあまりわからなかったが、ベントンやマリーノといった人物の心のうちもわかったりして、それはそれで面白い部分もあった。
以前やめた場所に戻るとき、その場所が前より発展していたら嫌な気分になるだろう。前よりも荒廃している様子を見て、ケイがなんとなく優越感を覚える気持ちはよくわかるような気がした。他にもこの本では、ケイやその他の人物の心情も前よりわかりやすくなっていたかと思う。
今後も三人称での新しいシリーズとなるのだろうが、やはりどういう風になっていくのかが気になるので読み続けてしまいそうな気がする。
★パトリシア・コーンウェルのその他の作品 ・黒蠅 (上) →その感想ページ
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