2005年04月21日(木) |
タイタニック(DVD)とタイタニック号99の謎 福知怜 |
タイタニック号99の謎―驚くべき真実! 福知怜 二見書房 1998
夫とともに『タイタニック』を見る。実は最初から見たことがなく、最初の部分を毎回見逃していたので、初めて最初から最後まで全部見たことになる。
この映画はローズとジャックの恋の物語に注目されることが多いと思うが、私としては、当時の階級社会とか女性の扱われ方のようなものを本当によく描いている文化的に面白い作品のような気がする。タイタニックというゴージャスな船の中に、一等客から三等客までが乗り込み、さらに船員や石炭をくべる火夫、レストランで働く人たち、楽団員などなど・・・あらゆる人々が乗っていた。
ローズと婚約者とのやり取りを見ていれば、当時の男性が女性に対してどういう振る舞いをすることを許されていたのかもわかるし、ローズの母親を見ていれば当時の女性が男性の庇護のもとで暮らし、それなしで暮らすことなど考えてもいなかったこともわかる。また成金を嫌う金持ちの人たちや、そういった人たちの暮らしぶりもよくわかる。
あとからプレスシートや本を読んでみると、当時の一等客が払っていたお金は500万以上もし、三等客は2〜3万円くらいだったというから、その差が歴然としている。これだけ金額が違えばあのような態度もうなずけるかも・・・とちょっと思った。
本を読んでみると、(この本は映画が公開されたあとに書かれているらしい)映画は必ずしも真実を描いていないようだ。特にキャルに賄賂を渡され、それをつき返したあとで、ピストルで乗客を傷つけ、自殺をしてしまった船員については、全くそういうことはなかったらしい。最後まで救出を続けたのちに別の理由で(多分氷山を見つけたという連絡に何の対策も採らなかったということ)自殺をしたらしいのだ。映画が公開されたあと遺族の抗議を受けて、20世紀FOX社が賠償金のようなものを払ったらしい。
何となく映画を見れば、タイタニックの中で行われていたことがすべて真実のように描かれているような気もしていたが、本を読んでみると、かなり様々なことが謎として残されたままになっているようだ。だから、映画の中で繰り広げられていたことは一部は事実だとは思うが、そうでない部分も結構あるのかもしれない。もちろん当たり前のことだけれど。
未曾有の大事故だったために、その責任などを逃れるために、様々な人の証言が食い違っているらしく、結局一体何が起こったのか、どうしてこんなに死者が出たのかということがすべて解明されず、うやむやになってしまった部分が多いのだそうだ。それは確かにうなずけるが、このような事故であるがゆえに、最後まできっちりと証言をしたりして、事実を追求してほしかったようにも思う。
映画を見ていて思ったけれど、やっぱりレオナルド・ディカプリオはかっこいい。目のアップがあるけれど、この目がすごくいいのだ。女性が夢中になったのもうなずけるかも・・・と思った。映画は映画でやはり楽しめる作品になっていると思うし、人間というものについても考えさせられる。
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