2005年01月21日(金) |
2004年 本のベスト・テン |
毎年恒例、独断と偏見の強いと思われる本のベスト・テン。
2004年の総読書数は79冊。そのうち本が46冊。月平均だと本が3.8冊だった。2004年は私にとっても節目となる年だった。というのは、結婚をしたからである。2月の末までは派遣社員として働きもした。その後、結婚式までは結婚の準備で忙しく、結婚後ももう一度引っ越したりと身辺が落ち着かなかった。
とはいえ、これだけの本を読めたのは良かったと思う。実家のそばの図書館は今も利用しているが、新しく引っ越した先の図書館も最近ではよく使っている。しかし、こちらの図書館はちょっと遅れているので、ネットでの予約などもできない。予約するときは昔ながらの紙に書いて図書館で提出する方式だ。そのかわり予約すると他の図書館に比べると早い時期に予約本が入るのでどちらがいいのかわからないなーと思う。
では、2004年のベスト・テン。
1:博士の愛した数式 小川洋子 7月 2:ハルモニア 篠田節子 10月 3:ブルーもしくはブルー 山本文緒 6月 4:ブラフマンの埋葬 小川洋子 11月 5:キャノン姉妹の一年 ドロシー・ギルマン 11月 6:クライマーズ・ハイ 横山秀夫 4月 7:イリュージョン(上)(下) ノーラ・ロバーツ 2月 8:転生 貫井徳郎 2月 9:魔法使いハウルと火の悪魔 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 12月 10:ダーリンは外国人シリーズ 小栗左多里 10・11月
以上。
1位の『博士の愛した数式』は記憶の障害を持つ博士と家政婦とその息子の愛の交流を描いた作品で、かなりの話題作だった。なんというか、何がいいと一言では言い表せないのだが、ほのぼのとした雰囲気というか、何もかもがいい感じに感じられる心温まる作品に仕上がっていた。
2位の『ハルモニア』は篠田節子のチェロをモチーフとした作品。他にも篠田節子には音楽を扱った作品もあるが、この作品では障害のある天才少女にチェロを教えていくという教師の苦しみとか、障害者の教育などに関しても深く描かれていて、先がどうなるのかすごく楽しみであった。どうもドラマ化もされていたらしい。
3位の『ブルーもしくはブルー』は元々はNHKの夜ドラで非常に面白かったので原作を…と思って借りた。原作もテレビと違わずかなりの面白さだった。自分のドッペルゲンガーとの対峙という面白い題材をうまく使ったと思う。
4位の『ブラフマンの埋葬』は1位の『博士の愛した数式』と同じく小川洋子の作品。小川洋子は『博士の〜』が非常によかったため、他の作品も読もうかと思った。こちらは主人公が飼い始めたある動物の飼育日記の形を取りながら、日常などを見つめた作品で、やはり何がどうとは言いがたいのだが、胸にくるような作品であった。
5位の『キャノン姉妹の一年』は『おばちゃまシリーズ』で有名なドロシー・ギルマンの作品。この人の作品はどれもこれも元気を与えたり、考えさせられたりするものが多い。この作品は両親を亡くし、別々のおばに引き取られていた二人の姉妹が、おじの遺産の田舎の家をもらったことから、二人だけで自立して生活していこうとする姿を描いた作品である。人生の前半で挫折を味わっても、自分たちで自分たちの生活を作り上げていくことができるのだということが力強く描かれていて、元気になれるような気がする。
6位の『クライマーズ・ハイ』は日航機墜落事件を追いかけ続けた記者の話である。男の世界の大変さ、記者としての取材とは、新聞とは何かということを考えさせられる重厚感のある作品だった。
7位の『イリュージョン』はマジックの世界、泥棒の世界とロマンス小説を掛け合わせたもので、ついつい引き込まれてしまう作品だった。
8位の『転生』は心臓移植をテーマにした作品。私は自分探しというテーマは案外好きなので、この作品も面白く読んだ。
9位の『魔法使いハウルと火の悪魔』は映画『ハウルの動く城』の原作本ということから読もうと思った。映画よりも複雑で面白かった。
10位の『ダーリンは外国人』シリーズは、外国人と結婚した妻が、二人の日常を面白く漫画化した作品である。夫のトニーの人柄が面白いのと異文化コミュニケーションという題材に引き込まれた。でも、これは結婚すれば相手が外国人でなくてもある程度の異文化コミュニケーションはあるものだなーと思っている。
ちなみにこれまでベスト・テンに入っていた大物シリーズ作品の『検屍官シリーズ』の最新刊だった『黒蠅』や『ハリー・ポッターシリーズ』の最新刊『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』はベスト・テンに入らなかった。これは続きを楽しみにしていたファンの私にとってもちょっと意外なことだった。
漫画では浦沢直樹の『MONSTER』が考えさせられる話だった。これも重たい作品だった。
ベスト・テンには入らなかったが、印象に残った作品は下記の通り。 『OUT(上)(下)』 桐野夏生 1月 『私のかけらを、見つけて』 ジョイ・フィールディング 1月 『D-ブリッジ・テープ』 沙藤一樹 1月 『世界の中心で、愛をさけぶ』 片山恭一 7月 『ワイルド・フォレスト』 サンドラ・ブラウン 7月 『グッドラック』 アレックス・ロビラ/フェルナンド・トリアス・デ・ベス 11月 『ぶたぶた日記』 矢崎在美 11月
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