感想メモ

2004年11月20日(土) キャノン姉妹の一年  ドロシー・ギルマン


ドロシー・ギルマン 柳沢由実子訳 集英社文庫 (1953)2004

STORY:
父の死のためにそれぞれのおばに引き取られ別れ別れになった姉妹。おじの死により、田舎の家を遺産としてもらった姉は妹と二人だけでそこに暮らすことを決意するが。

感想:
 ドロシー・ギルマンのかなり昔の作品。昔も今も扱うテーマはさほど変わっていないような気もする。作品自体は1953年のもので、自分自身が生まれるよりも20年くらいは前の作品なので、時代としては私にはよくわからないといえばわからないのだが、人の心の機微などは今も昔もそう変わるものではない。質素で自給自足の生活というのは、人の心を強くするのかなとも思った。

 妹の方は誰からも心を閉ざした存在になっているが、自分自身で甘えていたこと、誰からも心を閉ざして一生生きていくわけには行かないことに気づき、自らが変わっていく。

 姉は責任をとる気のない男性との恋愛に疲れ切っていたが、自分自身の心を次第に取り戻し、誰が本当に自分にとってふさわしいのかを見極めていく。

 自然と共存しながら、自給自足をし、お金はなくとも工夫と知恵で乗り切り、次第に地域の人々とも打ち解けていき自分の居場所を作り上げていく二人の変化を見ていると、自分もがんばろうというような気がした。


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