| 2004年07月16日(金) |
博士の愛した数式 小川洋子 |
小川洋子 新潮社 2003
STORY: 交通事故により記憶が80分しか保てなくなってしまった教授とその家政婦として働くことになった女性、その息子との3人の交流を描く。
感想: とても感動できるすばらしい作品だという評判が高かったので借りてみることにした。読売文学賞を受賞している作品。
評判に違わずとても面白く、また感動的だった。私は子供の頃から数学が大嫌いだったし、公式に当てはめればそれで十分と思い、証明などには興味も持てなかった。物語中の数式は難しくて私には理解不能ではあったけれど、何か教授が表したいものが伝わってくるような気がした。そして、素数や約数などすっかり忘れていたわけだけれど、なんだかすごく素数が素敵なものに思えてきたり、数学が素敵なものに思えてきてしまった。もし数学嫌いの人がこの文章を読んで数学に興味を持ったらすごいことかも。きっと私と同じように感じた人も多かったのではないだろうか。でも、それが一過性のものだったりするわけだけれど・・・。
何がいいと一言では言えないけれど、素敵な作品だった。
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