感想メモ

2003年09月19日(金) 街の灯  北村薫

文藝春秋 2003

STORY:
社長の娘として生まれた英子は裕福な子供たちや身分の高い子供たちのための学校に通う恵まれた暮らしをしていた。ある日、学校の送り迎えの運転手にベッキーさんという女性がつくことになり・・・。

感想:
 面白かった。何といっても時代の描写がいいと思った。こういうのは好きな人は好き、嫌いな人は嫌いかもしれないけれど。時代設定は昭和初期かなんかみたいだった。華族とかの身分がまだあり、戦争には突入していなくて、裕福な最後の時代だったのかなというようなイメージ。銀座の描写とかかなり面白かった。

 またベッキーさんの描写がいい。何でもこなせる女性というだけでも憧れるんだけれど、心も素晴らしい人で、色々な世界を見ているように思う。主人公の英子も彼女の考えに少しずつ影響されていくんだけど、それもまた自然な感じでよかった。

 中にちょっと推理めいた部分があったりするんだけれど、そういうのが好きな人にも面白いかもしれない。

 それから、この本のタイトルはチャップリンの映画から取ったらしい。見たことがないんだけれど、見るともっとこの作品の世界がわかるのかも・・・。


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