2003年05月09日(金) |
西の魔女が死んだ 梨木香歩 |
新潮文庫 2001
STORY: 学校に行きたくなくなったまいは、英国人のおばあちゃんの家に預けられる。おばあちゃんは魔女の末裔ということで、まいに魔女修行について教える。まいもおばあちゃんの言うことを聞こうと努力をするが・・・。
感想: 最後の部分で感動の涙が出そうになった。電車の中だったから押さえたけど。子供が主人公の作品はかなり好きなので、この作品もかなり自分好みだろうとは思ったのだけど、案の定だった。
おばあちゃんとの暮らしは、田舎での規則正しい生活。自然と一体になった無理のない生活というか、本当にここにある描写だけでも、好きな人にはぞくっとくると思う。シンプルな田舎の生活というのかなあ。自給自足に近い。自然の描写もすごくきれいで、この花は一体どういう花なんだろう?とか色々と思うところがあった。
それにしても、まいは偉い! 片づけがあまり好きじゃない私。こういうきっちりした生活に憧れるものの、無理っぽい気がしてしょうがない。タオルやシーツのたたみ方まで決まってるなんてさー。でも、いいなあ、こういう厳格そうな生活・・・と思ってしまう自分もいる。1週間くらいなら体験してみてもいいかも。
魔女修行の第一はきちんとしたリズムでの生活ときちんとした食事。それじゃあ、運動の修行と変わらないというまいに、はじめの部分は同じなんだよと教えるおばあちゃん。そう、やっぱり規則正しい生活、きちんとした食事・・・これは人間が生きる上で一番大切なことなんだろうなー。現代人はなかなかこういったことを忘れがちだし、社会に出ればなかなかそうも言っていられない状況もあるけど、体調を整えるにはこういうのが一番大事だと思う。
魔女の修行は意志の修行。自分がやろうと決めたことをきちんとやる。それが修行。そして、それが積み重なっていくと自信となって気づいたら違うところにいる。これはすごくわかると思った。自分自身、何事も中途半端な自分が嫌だと思って、高校時代に日記を毎日つけることを始めた。そしたら、まあ性に合っていたのか、今でも毎日のように日記を書きつづける生活が続いている。でも、一つのことをこうやって続けられると、本当にたった一つでも自信になる。そして、その一つができたら、次の一つに挑戦して・・・。今、一つが増えてたくさんの継続している事柄がある。私も魔女修行できていたのかな・・・。不思議な声を聞いたりはできないけどね・・・。
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