感想メモ

2003年04月28日(月) もどってきたアミ 小さな宇宙人  エンリケ・バリオス

石原彰二訳 さくらももこ絵 徳間書店 (1990)2000

STORY:
宇宙人アミと会った時のことをいとこのビクトルに本にしてもらったペドゥリート。しかし、時が経つにつれアミと出会ったことが夢だったのか現実だったのかがわからなくなってくる。その証拠を求めてアミと出会った海辺にいとこと出かけたペドゥリートは、再びアミと再会する。そして、一緒にいたビンカという少女とともに再び宇宙を巡ることに・・・。

感想:
 アミのシリーズ2作目。この巻ではビンカというペドゥリートの双子の片割れが登場する。二人は出会ったときはお互いに相手をよくは思わない。さらに途中でけんかをしたりもするのだが、二人がお互いの片割れなのだということに気づいていく。

 1作目と同じように宇宙の基本法は愛であることが説かれている。それだけでなく、ペドゥリートとビンカがなぜ選ばれたのかについても触れられている。二人はその愛を広めて啓蒙活動をし、救済活動をするために選ばれているのだ。そして、二人は地球と同じような状況にある惑星が滅亡していく様子、逆に愛の法を実践し統一政府を作って永遠の幸せを手に入れた惑星の様子を見せられる。

 私は独身なので、双子の片割れの部分に非常に興味があった。どうもそれによると、まず最初からこの人だとピンと来るわけでもないということ。でも、一緒にいるうちにお互いにこの人だと思うようになること、その気持ちはお互い同じであり疑いようがないこと、二人はいつも一緒にいる必要はなく、離れていても大丈夫なこと・・・などがわかった。またこの二人のように別の惑星に生まれる場合というのは、つまりはもし相手が別の惑星にいたら、この地球上の生では結婚にはいたらないということなのだろうか・・・とも思った。それから、この2人は出会い、死に別れ、生まれ変わり、また出会い・・・というのを繰り返し、最後には一つになるのだという。しかし、この最後というのは何度も何度も生まれ変わったりした後のことである。お互いに高度な次元に到達するように生まれ変わるたびに精神の勉強をしていくということだと思う。ま、ということで、最近独身で結婚したくてもできない人も多い世の中だけど、これって他の惑星に相手がいるってことなのかしら?とか思ってみた。そこまで深いことは書いてないんだけどさあ・・・。その片割れとどうやって出会うのかはよくわからない。愛を得るには愛を与えること・・・なんだそうだけれど。

 それから、滅亡した惑星での出来事。ここで救済される人とそのまま見殺しにされる人の二つに分かれる。これはある意味の淘汰なのだという。そして、救済されない人はどういう人かというと、愛を広め惑星の救済に携わろうとしなかった人、言ってみれば傍観者、あきらめて何もしようとせず、自分だけが助かろうとした人ということだろうか・・・。しかし、自分自身を振り返れば、私ってこれかもとか思ったりもして・・・。そして、この本を読んだ人に、「読んだあとでその人が地球を救うために何かをするかどうかによって地球の未来がどうなるかが決まるのです・・・」と最後に締めている。

 私は昔から不思議な本が大好きで、予言とかそういったものも抵抗なく受け入れられるし、トンデモ本と呼ばれる類のものも大好きで、弟などからはおかしなやつと思われている節もあったのだが、ここに書いてある内容というのは、これまでにもそういう類の本で目にしたことのある内容だったので、特に驚かない部分もあったし、逆に精神的な部分についての描写などはなるほどと思うところもあった。でも、相変わらず難しすぎるところもあるし、とてもじゃないけど、この本は子供向けだとは思えないのだが・・・。

 それにしても地球を救うために何ができるのだろうか? あまりにも大それたテーマではないだろうか? 一体何から始めたらいいのだろうか。そして何をしていけばいいのだろうか。戦争を止めて武器をすべて捨てる。そして軍事費をすべて回せば飢えのある国はなくなり、世界中の人が豊かに暮らせるのだという。私もそういうのはすごく理想だと思うが・・・。

 ネット上に日記はたくさんあって、時事問題とかを扱うものも多い。そういうところを読んでいると、本当に様々な考えの人がいることに気づかされる。普段私はあまりそういう政治的なこととかに興味がない。イラクの戦争が起こったときも戦争に反対の姿勢を貫く人もいたけれど、逆にアメリカに守ってもらうために(北朝鮮の脅威など、日本には色々あるらしい)イラクの戦争を援助するのは当然という考えの人がいてとてもびっくりした。でも、それを読んで、そこまで事態が切迫しているのだとしたら確かに私のような甘い考えではいけないのだろうか?とも思った。

 日本は戦争を放棄したと明文化している国である。こういう国は少ないと思う。不戦の国であることになぜ誇りをもてないのだろうかと思う。でも、日本はそういいながら自衛のために自衛隊を置いている。私は自衛隊は災害時などの救出などに役立つし、なくせばいいとは思わないけれど、武器を使う必要はないかもしれないとも思う。アメリカにも「日本はあなたがたアメリカに負けたときから、あなたがたの言われるまま戦争放棄ということにしたのですから、いかなる戦争にも援助はできません」と強く言えないものなのだろうか。

 私は政治的なことはわからないけど、そういうことを単純に口に出して実現できるような世界になったらいいのにとちょっと思ってはいる。身近なことで自分にできることって何だろう? ちょっと考えてみようかな。


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