2003年04月25日(金) |
むかし僕が死んだ家 東野圭吾 |
講談社文庫 1997
STORY: 昔別れた恋人の幼少の頃の記憶を取り戻すため、私は山奥の別荘地の家へ向かう。そこにある様々なものから過去を推測していく2人だったが・・・。
感想: 久々に面白い小説で、冒頭からかなりひきつけられてあっという間に読んでしまった。登場人物は私と沙也加のほとんど二人のみで、不思議な家の中を捜索し、そこで見つけたあらゆるものから沙也加の過去を探っていくというだけの話なのだが、その秘密がどういうものなのかを想像していく作業は、主人公二人がそうであるように読者にとってもスリリングで続きが気になるのである。
何が次に起こるのだろう?とちょっとホラーめいたことも考えつつ読んでしまったのだが、もちろんホラーでもなく、普通の一般の家庭の話なのだけれど、他人の家がどんなだったのかを探るのって、探偵みたいで面白いのかもしれない。ただこの場合のように過去を探るのが果たしてよいことなのかどうなのか、疑問に思うことも多いかもしれないけれど。
ところで、以前、黒川博行さんという人が書いた東野圭吾の本の別の解説を読んだ。その本が何だったのか忘れたのだけれど、その感想をネットで探して読んでいたら、この人の解説について面白いことが書かれていたのだ。それは同じ出来事を2冊の本の解説に書いているのだが、違うことが書いてあってどっちが正しいのか?という突っ込みの内容だった。すっかり忘れていたんだけど、この本の解説がそれに当たっていた。それは二人で料理番組に出てお互いに料理を作った時の話。東野圭吾は豆腐のとろろあんかけを作ったらしい。前に読んだ本だと、この料理は見た目はまずそうでも大変美味しかったというような感じだったと思うが、こちらの本ではお互いの料理はどちらもまずかったと書いてある。本当にどっちが本当だったのだろう? 実際にこの番組、見ていた人いないのかな・・・。
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