2002年04月03日(水) |
シッピング・ニュース |
ラッセ・ハルストレム監督、ケヴィン・スペイシー主演 『シッピング・ニュース』
『シッピング・ニュース』とは『港湾ニュース』という意味だそう。
主人公はある日女と知り合い、その女と愛し合うが子供ができたあと女は男に愛想を尽かし、(というか、ただ単に女が移り気なだけなんだけど)子供は男が面倒見て、女は他の男と遊びまわり・・・。そして、ある日娘を連れて女はいなくなるんだけど、それは娘を裏の養女斡旋業者に売ってお金をすでにもらったからで、つまり娘を売りに行こうとしたから。その時、事故を起こして彼女は死んでしまい、子供だけは残る。 男は子供とともにおばさんという人と自分のルーツであるニューファンドランド島に移住することにするんだけど、そこで元やっていた新聞社のインク係の職を求めたところ、そこじゃインク係なんていうのはいらなくて、ほしいのは記者だけだと言われ、やむなく主人公は記事を書くことになるわけで・・・。
前の段階での予想だと、この記事を書く取材を通して町の人と知り合って男が変わっていくのかなーと思わされていたのだけど、そこまで大量の人にインタビューをするわけでもなく、どちらかというと仕事の場面はあまり出てこない。 彼はこの島でちょっと障害のある子供を育てる未亡人と知り合うのだけど、次第に恋におちていく。女も自分の夫に捨てられたようなもので・・・。
まあ、とにかく色々と心に傷を持つ人がそろいもそろっているようなそんな内容だけど、実際のところ最後までこの問題に何らかの決着がつくわけでもない。それどころか実はかなり不可思議なことも起こっていて、これをどう説明つけるんだ?とも思ったりもするわけだけど。
ただこの映画で最もわかったのは、親の育て方で子供は変わるってことかなあ。悪い親に育てられると子供がかわいそうというか。悪い親の元にいる子供は親のやっていることを見て、知らず知らずのうちに似ていくというか。 それと、なんでこの男はこんな悪女にひっかかるんじゃあ??と思ってしまう。どう見ても悪い女なんだよね、これが。でも、男は彼女が死んだあとも彼女のことが好きみたいで忘れられていない。子供も悪い親なのに母のことが忘れられない・・・。
うーん。でも実はこの映画、かなりいろんな問題がちりばめられていて奥深いのだろうね。ただ淡々と日常が描かれているし、その奥深さっていうものもじっくり見ないとわからないかも。結局最後まで結論が出ないし、なんだかモヤモヤした感じで終わってしまったけれど、逆にここではっきりした結論とハッピーエンドみたいな終わり方をしたら、その方がリアリティがないような気もするし・・・。 かなり向き不向きがある映画かもしれない。その証拠か、ガラガラだったよー、映画館。ラッセ・ハルストレムのほかの作品は見てないんだけど、『ショコラ』とかすごい人気だったことを思うと・・・かなりお寒いよね、この状況は・・・。
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