宿題

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2006年08月27日(日) 日本文学の流れの中で/正宗白鳥×江藤淳
江藤
(トルストイの家出のことを書いた文章を)
おもしろいと思ったのは、正宗先生が、いつになく
おこって書いていらっしゃるという感じがしましたね。
ハリがあっておもしろかった。

正宗
そんなこともない。
なにか書かなくちゃならないから書いたんだから…。
それに書いたものが売れないから本にもなってない。
同じものばかりが僕のものは出るんでね。何か全集に入れると、
いつも同じ五、六十のものをあちこにやっている。
僕の作品は六百ぐらいあるそうだな。
五十年書いておって、月に一つとすると年に十二、
五年で六十だから、ちょうど六百。
ところが、去年はほとんど書いてない。
だから収入も少ないわけなんだが、別段貧乏もしていないし、
ふしぎに思っているんだ。
僕は脱税するつもりはないし、この春も税務署に払うつもりで行ったんだ。
ところが、僕は所得税を納める資格もないそうだ。
世間の人にそこをよく知ってもらいたいんだ。
吉川英治の百分の一でも収入があるように思ってやってこられちゃ迷惑だ。
脱税もなにもしていないし、ちゃんと持っていっているんだが、
取るどころじゃない。
確定申告で収めてあったものに利子をつけて、
六万円返してくれた。


★日本文学の流れの中で/正宗白鳥×江藤淳★

マリ |MAIL






















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