宮台 このあいだ、伏見憲明さんというおかまさんに久しぶりに会ったら、 彼が「宮台さんと話すと楽しいけど、別れた後すごく寂しくなって、 それは宮台さんの前にいるのは伏見憲明ではなくて、 伏見憲明のような人なんだね」と言うんです。 つまり「こういうふうに話せばよいという引き出しがあって、 それを実行しているでしょう」と言われた。
中島 伏見さんの言われたことに近いんですが、僕の場合、 何にしても自分のカテゴリーに一致した人がいればいいので、 その人は僕の個体性につきささってこない。
宮台 中島さんてそういう意味で言うと、僕の引き出しの中に全然入らないから、 きょうお会いするとき、それが不安だったんですよ。
中島 だからきょうは勝負ですね、どっちがむなしくなるか、 帰った後で(笑)。
★哲学と癒し/中島義道×宮台真司★
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