宿題

目次(最近)目次(一覧)pastnext

2006年08月03日(木) いろんな気持ちが本当の気持ち/長嶋有
スポーツにおけるどんな「清々しい美談」にも「痛々しい敗退」にも、
僕は興味がない。
新庄はどちらにもあてはまったのに、その都度まるで違う印象をもたらす。
新庄が札幌、いやSAPPOROにいったときに、ああ、この人は
地図じゃなくて地球儀をみている人なんだと思った。
大リーグにいけば成功。国内に戻れば失敗。そんな一般論が恥ずかしくなる。
その恥ずかしさはスポーツマン的「清々しさ」ではなく、
彼の無邪気さでもたらされたのだ。
そしてオールスター戦でのホームスチール。
こうまでされると呆れつつも間違いなく「感動」の側に引っ張られてしまう。
清々しくないのに、顔がほころんでしまうのだ。
言動の不思議さから新庄は「宇宙人」などといわれるが、
そうではなくて彼は野球のようにみえるなにかをしながら、
そのことで宇宙全体を守っているのではないか。
最近はそう思うようになった。


★いろんな気持ちが本当の気持ち/長嶋有★

マリ |MAIL






















My追加