桜井秀俊&パイオニアコンボのアルバム 『BEYOND THE NOTE』には洋楽CDのようにライナーノーツがついていて、 解説を実の母親が書いている。 「あの子抜け目ないのよ」とか 「半ズボンのガキが何歌ってんのよって感じでしょ」と、 実に母親らしい(ちょっとー、という手ぶりのみえそうなほど) 屈託のない文章で度肝を抜かれた。 小説でも文庫の解説を実の母親に頼んだなんて話はきかない。 親も親だが、依頼する息子もけっこうしれっとしている。
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前述の桜井母の文章はこう結ぶ。 「あの子がつまんなくなったときは、すかさず見放してちょうだい。 その後面白くなったら、また飛びついてちょうだい。それが愛よ」 なんという名台詞だろう!
★いろんな気持ちが本当の気持ち/長嶋有★
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