宿題

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2005年05月26日(木) 七人のネコとトロンボーン/谷啓
ジャズをやるからには服装が第一、という観念がぼくにはあった。
しかしすぐさま新調することも出来ず、ぼくは親父の背広を裏返しに仕立て直したのを着ていた。
だが、シャープ&フラッツだ。
ぼくはアメリカのレコードジャケットを何枚か眺め、
黒人プレーヤーの真似をすることにした。
派手なスカイブルー、だぼっと大きめの肩幅の広い上着、太めのズボン、
それに黒いソフトをあみだにかぶった。
さしずめ、東海林さだお描くところの「ジャーン!!」という勢いで、まずは大学へ。
目を見張る仲間たち、しかしたちまちにして先輩から、
「背広はともかくとして、ソフトはやり過ぎだ」
と叱られた。
当時、ぼくらのバンドの月給は一人八千円から一万二千円。
背広は上下で三万円ナリ、十か月の月賦であつらえたのだった。


★七人のネコとトロンボーン/谷啓★

マリ |MAIL






















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