宿題

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2004年06月04日(金) 地下室アントンの一夜/尾崎翠
松木氏は、いつか、僕の「烏は白い」という詩をみてひどく怒られたそうですが、

白いものはどこまで行ったって白いです。

それあ、人間の肉眼に烏がまっくろな動物として映ることなら、

僕は二歳の時から知っています。

しかし、人間はいつまでも二歳の心でいるもんじゃない。

いるのは動物学者だけだ。

それから、人間の肉眼というものは、宇宙の中に数かぎりなく在るいろんな眼のうちの、

わずか一つの眼にすぎないじゃないか。


★地下室アントンの一夜/尾崎翠★

マリ |MAIL






















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