その田畑あきら子は、ある日、吉祥寺の喫茶店でモダンジャズのレコードを聞きながら、
こんな詩を作る。
ココハ 吉祥寺ノ ファンキーデス
大変久シ振リニ来マシタ
不思議ナコトハ サウンドノ中デハ
自分ガ モノ ミタイ二ナルノデハナク・・・・・・
タダモウ 日常ガ遠ノイテ見エマセン
ナニモカモ ワカンナイ ト言ウノハ
嘘デアッテ ト 言ウコトガ 解リマス
コレガワタシノ オボロ線 デアッテ
オボロニ変身スルコト ト 絵ヲ
創ラナケレバナラナイコトノ関係
ガ スナワチ 現実ガ現実を見失ウ
コトナノデショウ ソノヨウニ解ルト
言ウコトハ ソノヨウニ 生キテイル・・・・・・?
ト言ウコトナノダトスルト ソコヲモット
ゲンミツニ シテイクコトガ・・・・・・
ト言ッテモ ワタシニハ 出来ナイコトデス
詩集の部に入っているが、田畑あきら子がこれを詩のつもりで
書いたかどうかは判らない。
彼女はよくデッサンの余白に、こういう、詩のような、独白のようなものを
書きつけているからである。
★気まぐれ美術館(田畑あきら子さんの詩)/洲之内徹★
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