宿題

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2004年04月23日(金) 悩む力/斉藤道雄
自分の病気がわかりかけてきたのは、入院してから一週間目くらいの時だった。

ベッドでひとり悩んでいたとき、まわりの仲間が「あんたはバカだ」と

歯に衣をきせぬ辛辣なものの言い方をしてくれる。

エスパー?テレパシー?そんなのだれにだってあるよ。

バカだなぁ、なにいってんだよ、いまごろ・・・・・・。

悪意からではない。あきれた感じでそういわれると、清水さんは混乱した。


同情されてばかりいたら光は見えなかった。

精神科にきたら、バカといわれ少しは目が覚める。

励まされるより、ののしられる方が効果があるとは思わなかった。


けれど、バカだといった患者が次の日には「風邪、よくなったか」と、

声をかけてくれる。

浦河にきてはじめにそういう「人との関わり」があった。

そうしてきついもののいわれ方をしているうちに、清水さんのなかにわきおこった疑問は、

「あたしは性格が悪いんだろうか」ということだった。

以前だったら、絶対そんなことを認めたくはなかった。


★悩む力/斉藤道雄★

マリ |MAIL






















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