宿題

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2004年02月21日(土) 千利休/赤瀬川原平
そんな話が、スライドの明かりを消して、蒲団に入ってからも終わらない。

あくる日の路上観察のために眠らなくてはいけない。だけど知恵熱で眼が冴えている。

電気を消した闇の中で、蒲団から蒲団へ、話し声が飛び交う。

どうしてこんなことが面白いのか。この異常なほどの楽しさは何を示しているのか。


路上にあってちょっとズレたもの、ちょっとはみ出したもの、

ちょっと歪んだもの、欠けたもの、見捨てられたもの、そういったもののありさまが、

自分たちの感覚を蘇生させてくれる。固形となった観念を叩き直してくれる。

世の中のまだ誰も知らないところで、大変なことが起きはじめている。

とはいえ相手はただのゴミみたいなものだ。

それを惚れ惚れとして見つめたり、名品だといって感動していたりするのは、

ひょっとして、

「ひょっとして、むかし、歪んだり欠けたりした茶碗をさ、利休たちが”いい”

なんていいだした気持ちと、同じなんじゃないのかな」

という言葉が発せられたのである。


★千利休/赤瀬川原平★

マリ |MAIL






















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