宿題

目次(最近)目次(一覧)pastnext

2004年02月20日(金) 千利休/赤瀬川原平
芸術という概念は、上昇するところを常に前衛芸術に引き戻されて、

日常感覚のところまでダイレクトに、次第に露骨に接着される。

そのたびに芸術の概念そのものが、揺すぶられて、引っくり返されて、つかみ直されて、

もはや崩壊寸前のきわどい形になってくる。


芸術の概念の日常への接着へ進んだ結果、その接着がほんの一瞬の、

しかもほんのわずかな接点となってくるのだ。

日常の中にあるとはいえ、気をつけなければほとんど見えない。

気をつけてもほとんど見えない。何が芸術だかわからない。

芸術の概念を、日常の感覚につなげようとする前衛芸術は、

そうやって日常への接着を繰り返すうちに、日常に接着しすぎて、

接着というよりもその中にはいり込み、日常の無数のミクロの隙間から消えていった。


★千利休/赤瀬川原平★

マリ |MAIL






















My追加